リノベーション物語【3】想像 ~IMAGINATION

リノベーション

ボロアパート同然の物件でしたが、海が見えるという大きな利点を生かすために、どんな部屋にするのか。

海面から部屋の窓までの高度差。

部屋の外にいる自分の視点。薄明の海に出ていく船から、もしこの部屋を見上げたらどんなに見えるだろうかと想像しました。

夜の闇の中空に浮かび「内部から白く光り輝く透明な直方体」を最初にイメージしました。

 

次に唐突に頭に浮かんだのは、「直方体に嵌入する円筒」というイメージ。

部屋の造作を取り払ってみれば変哲もないの直方体の部屋に、多少の変化を与えたかったのだと思います。

なにか思いつくたびに、ラフスケッチを描いていきます。

円筒に挟まれた狭い隙間を通り抜けていくと、白を基調にしたシンプルな部屋の空間があり、その先の窓の向こうには、青い海が明るく大きく広がる絶景。そんな視線と視野の変化も、実現したく思いました。

白い箱、輝く直方体、嵌入する円筒、視野の変化のダイナミズム…。

空き箱の中に、円筒形の容器を立て並べてみたりしながら、少しづつ、脈絡のないIMAGEを、具体の方に動かしていったのです。

タイトルとURLをコピーしました